野球タイムプレイについて現役審判員が詳しく解説

ルール

野球のルールで「タイムプレイ」というルールをご存じですか?
あまり野球に詳しくない人は聞いたことがないという方もいると思います。

頻繁に起こるプレーではありませんが、貴重な得点の有無に関わるルールなのでしっかりと理解しておいた方が良いルールです。

今回はタイムプレイについて詳しく解説していきます。

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タイムプレイとは

公認野球規則には「タイムプレイ」という言葉は存在しません。
では、どのように記載されているのでしょうか。

三人アウトになってそのイニングが終了する前に、走者が正規に一塁、二塁、三塁、本塁に進み、かつこれに触れた場合には、そのつど1点が記録される。

第3アウトが次のような場合には、そのアウトにいたるプレイ中に、走者(1、2塁にあたる場合は全走者、3にあたる場合は後位の走者)が本塁に進んでも、得点は記録されない。

(1)打者走者が1塁に触れる前にアウトにされたとき。

(2)走者がフォースアウトされたとき。

(3)前位の走者が塁に触れ損ねてアウトにされたとき。

(野球規則5.08a)

このように、公認野球規則5.08a「得点の記録」として記載されています。
タイムプレイというのは、通称の言葉として呼ばれています。

では、なぜ「タイムプレイ」と呼ぶようになったのでしょうか。
それは、本塁への触塁と、他の塁でアウトになるタイミングのどちらが早いかで得点が左右され時間の勝負になるため「タイムプレイ」と呼ばれています。

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タイムプレイとなるケース

得点が認められる条件として第3アウトより本塁への到達が早い場合

そして、第3アウトがタッチプレイの場合にタイムプレイとなり得点が認められます。

タイムプレイとなるケースは以下のようなケースが考えられます。

(ケース1)2アウト走者2塁の場面
  1. 打者は外野へヒットを放ち2塁走者が本塁へ生還した。
  2. 打者は1塁を回り、2塁へ進塁したが2塁走者の生還後にタッチアウトにされた。

2塁走者が本塁に生還後、打者走者がタッチアウトになっているため得点が認められます。

(ケース2)1アウト走者2、3塁の場面
  1. 打者は外野へ飛球を放ち、外野手はノーバウンドで捕球した。
  2. 3塁走者はタッチアップを行い本塁へ生還した。
  3. しかし2塁走者は3塁ベース付近まで到達していた。
  4. 外野手は3塁走者が本塁へ生還後、2塁へ送球して2塁走者はアウトとした。

フライアウトの場合、走者に対してはフォースプレイではなくアピールプレイの扱いになります。
そして、3塁走者が本塁に生還後に2走者がアウトになっているため得点が認められます。

(ケース3)1アウト走者1、3塁の場面
  1. 打者は1塁線上に内野ゴロを放った。
  2. 3塁走者はその間に本塁へ生還した。
  3. 野手は1塁ベースを踏んだ後に2塁へ送球して1塁走者をアウトとした。

1塁ベースを踏んでアウトとしたプレイはフォースアウトになりますが、このプレイは2アウト目になります。
そして、2塁上でのプレイはタッチプレイとなりタイムプレイが3アウト目になるため得点が認められます。

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タイムプレイが認められないケース

一方、本塁への到達が早くても得点が認められないケースがあります。
認められないケースは以下の3つです。
  • 打者走者が1塁に触れる前にアウトにされたとき。
  • 走者がフォースアウトされたとき。
  • 前位の走者が塁に触れ損ねてアウトにされたとき。

この3つの状態では、いくら本塁を先に踏んでも得点は認められません。

打者走者が1塁に触れる前にアウトにされたとき

打者走者が1塁へ到達する前にフォースアウトまたは打者走者に対してタッチアウトされれば得点は認められません。
  1. 2アウト3塁の場面で打者が内野ゴロを打った。
  2. 野手は1塁へ投げ打者走者はアウト。
  3. 打者走者が1塁でアウトになる前に3塁ランナーは本塁を踏んだ。

打者走者が1塁でのプレイでアウトになっていることから得点は認められません。

走者がフォースアウトされたとき

打者走者または走者がフォースプレイの状態であれば得点は認められません。
  1. 2アウト3塁の場面で1塁手がエラーをしてライト前にボールが転がった。
  2. 3塁走者は本塁に生還した。
  3. 右翼手は転がってきたボールを捕球し1塁へ送球して打者走者をアウトとした。

一見、一塁手のエラーのため得点が認められるようにも思えますが、1塁でのプレイがフォースプレイになるため本塁での得点は認められません。

前位の走者が塁に触れ損ねてアウトにされたとき

空過のアピールがあればアピールが優先され得点は認められません。
  1. 2アウト2塁の場面で外野へ安打を放った。
  2. 2塁走者は一気に本塁まで生還した。
  3. 打者走者は2塁まで進塁したがタッチアウトとなった。
  4. しかし、2塁走者は3塁を回るときにベースを踏んでいなかった。(空過していた)

3塁走者は本塁まで生還していますが、3塁は空過に状態です。

守備側から空過のアピールがあれば得点は認められません

ただし、守備側から空過のアピールが何も無ければタイムプレイとして得点は認められます。

これは、2つのルールが関係してくる複雑なパターンとなります。

アピールプレイについての解説は以下の記事を参考にしてください。

タイムプレーを利用したトリックプレー

ここで一つ、タイムプレイを利用したトリックプレーを紹介します。
  1. 2アウト1、3塁の場面。
  2. 1塁走者は盗塁を行い、わざとゆっくりと2塁へ進む。
  3. そして1-2塁間でランダウンプレーが起こるように仕掛けます。
  4. その間に3塁ランナーは本塁へ生還します。

このように3アウト目を犠牲にして1点を奪う事も作戦のひとつです。

ポイントは、1塁ランナーはアウトになっても良いので3塁ランナーが生還するまで時間を稼ぐ事がポイントです。
野手は、タイムプレイの事も頭に入れておかないと相手チームの思うツボとなります。

審判員の判定方法

タイムプレイの場合、審判員が選手や記録員、観客などにわかるようにする必要があります。

審判員のサイン

タイムプレイは滅多に起こらないプレーであり、審判員の腕の見せ所でもあります。

野球の試合中に監督が選手に対してサインを出すように審判員同士でも確認のサインがあります。
例えば、フォーメーションの確認やインフィールドフライのサインなどがあり、タイムプレイについても確認のためサインを出し合います。

タイムプレイが起こる場面になると、腕時計を人差し指で指すようなサインを送ります。そして解ったら、拳をトントンと叩きます。

プレイの判定

試合中のジャッジ判定でアウトはゆっくりとコールするのが基本です。

しかし、アウトの成立するタイミングはコールした時ではありません。

タッグした時がアウトの成立するタイミングであるためタイムプレイの時には極力早くコールします。

そして、球審は塁上での判定と本塁での触塁の両方が視界に入る位置でプレイを見ます。

得点が認められるとき

得点が認められたら球審はスコアラーに向かって、ベースを指さし「ランスコア」と言います。

得点が認められないとき

得点が認められないときには、球審はスコアラーに向かって、頭上でバツ印を作り「ノーラン・スコア」と言います。

まとめ

今回は野球のルール「タイムプレイ」を紹介しました。

重要な点をまとめると以下のようになります。
  • 本塁の触塁とベースでのアウトどちらが早いか競争である。
  • タッチプレイの場面で発生する。
  • アピールアウトがあれば得点されない。

タイムプレイは本塁への到達と各塁でのアウトどちらが早いかの競争になります。

選手の中には、余裕で本塁がセーフになると思いゆっくり走っている走者もいます。

しかし、他の走者がタッチされ得点が認められなかったというケースもあるため油断は禁物です。

「常に全力疾走」という言葉も、このようなプレーに関係してきます。

 


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