野球のルール第3アウトの置き換えについて詳しく解説

疾走するランナー ルール

野球ルールの盲点である第三アウトの置き換え。

フォースアウトの置き換え、ルールブックの盲点などとも呼ばれ、有名な野球漫画である「ドガベン」にも登場したことで有名なルールです。

そもそも、第3アウトの置き換えとは何なのか。

どこが盲点なのかなど、野球のルールをもとに現役審判員である私が詳しく解説します。

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第3アウトの置き換えとは

第3アウトの置き換えとはタイムプレイアピールプレイのルールが大きく関係してきます。

アピールプレイとは、守備側が走者の空過・リタッチなどを審判員にアピールすることで認められるアウト。

タイムプレイとは、一定の条件以外で3アウト目が成立する前に走者が本塁を通過することで認められる得点。

この2つのルールが重なり合い得点が認められるか否かのルールとなります。

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ドガベンのストーリーを使って解説

ドカベン単行本35巻に出てくる山田太郎2年生の夏

神奈川県大会予選3回戦 対白新高校戦で延長10回表

明訓高校攻撃 1アウト満塁の場面でした。

  1. 打者、微笑三太郎の打席でスクイズを企てる
  2. しかし投手への小フライとなり野手が捕球(ここで2アウト)
  3. 塁上は満塁で、全ての走者はスタートを切っていた
  4. 3塁走者である岩鬼政美は帰塁せずホームベースを踏む
  5. 白新高校の投手は捕球後、1塁へ送球する
  6. 飛び出していた1塁ランナーの山田太郎は帰塁出来ずアウト(ここで第3アウト)
  7. この時に3塁走者である岩鬼政美は第3アウトが成立するより前ホームを踏んでいた
  8. 白新高校の内野手は3アウトを取りチェンジとして内野手全員がベンチに戻る

結果としては、3塁走者である岩鬼政美の得点が認められました

対戦相手である白新高校の選手は1塁への送球が走者の帰塁より早かったので、3アウトを取り無得点だと思っていました。

なぜ得点が認められるのか

飛球となりボールが地面に落下する前に野手が捕球しているため走者はリタッチ(占有していた塁に一度戻る)しなければなりません。

そして、この場合のプレイはアピールが無ければアウトにすることはできません。

1塁走者に対してはアピールプレイでアウトを獲得しました。

3塁走者も帰塁せずにホームへ進塁しているため3塁走者に対してもアピールをしなければなりません。

次の場合アピールがあれば、走者はアウトになる。

(1)飛球が捕らえられた後、走者が再度の触塁(リタッチ)を果たす前に、身体あるいはその塁にタッチされた場合。(野球規則5.09c抜粋)

そして、3塁走者である岩鬼政美は第3アウトが成立するより前ホームを踏んでいました。

野球のルールでは、一定の条件以外で3アウト目が成立する前に走者が本塁を通過することで得点が認められます。(タイムプレイ)

一定の条件以外とは
  • 打者走者が1塁に触れる前にアウトにされたとき
  • 走者がフォースアウトされたとき
  • 前位の走者が塁に触れ損ねてアウトにされたとき

この3つに該当すれば得点は認められませんが岩鬼政美はどれにも該当していません。

また、3塁走者に対してリタッチのアピールもしていないため得点が認められるわけです。

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得点を防ぐためには

このケースで得点を防ぐ方法が2つあります。

  • 飛球を捕球した後に3塁へ送球する
  • 第3アウトの置き換えをする

このどちらかを行えば無得点となりました。

飛球を捕球した後に3塁へ送球する

野手が飛球を捕球した後に3塁へ送球して3塁走者に対してアピールを行えば3アウトとなり無得点となりました。

一番シンプルな方法で3塁走者の帰塁が遅いという理由でアウトとなります。

第3アウトの置き換えをする

3アウト目が成立した後でも4アウト目を成立させた後に、守備側に有利なアウトを選択することができます。

これを第3アウトの置き換えと言います。

第3アウトがアピールによって成立した後でも、守備側チームは、このアウトよりもほかに有利なアピールプレイがあれば、その有利となるアピールアウトを選んで、先の第3アウトと置きかえることができる。(野球規則5.09c(4))

ドガベンの試合で言えば、1塁でアピールアウトを獲得した。

その後、3塁へ送球し3塁上でもアピールアウトを行えば第3アウトの置き換えで無得点とすることができました。

また、このアピールは内野手全員がフェア領域を離れる前にアピールしないとアピール権の消滅となってしまいます。

イニングの表または裏が終わったときのアピールは、守備側チームのプレーヤーが競技場を去るまでに行なわれなければならない。

〝守備側チームのプレーヤーが競技場を去る〟とあるのは、投手および内野手が、ベンチまたはクラブハウスに向かうために、フェア地域を離れたことを意味する。(野球規則5.09c(4)抜粋)

 

実際に起きたプレー

2012年夏の全国高校野球選手権大会(甲子園)2回戦。

鳴門(徳島)対済々黌(熊本)の試合で、俗に言う「ドカベン ルール」が再現されました。

済々黌が1点リードで迎えた7回1アウト1、3塁の場面
  1. 打者の放った打球がショートライナーとなり遊撃手が捕球(この時点で2アウト)
  2. ボールは1塁へ送球されアピールプレイにより、3アウトが成立
  3. しかし、3塁ランナーは3アウト目が成立する前にリタッチをせずに本塁を通過していた
  4. 野手がベンチへ戻り、攻守交替

まさにリアルドカベンであり、攻守交替の時にはスコアボードへ「得点1」が刻まれました。

甲子園球場はスコアボードに得点が記録されたことにより騒然としました。

その後、球審からマイクで場内に説明があり甲子園球場は大歓声に沸きました。

まとめ

このような第3アウトの置き換えなどのケースは滅多に起こるプレーではありません。

攻守ともに選手がルールを熟知していないと実践できないプレーです。

外で身体を動かして練習するのも大切ですが、机に座ってルールを熟知するのも大切な練習と言えます。

今回の記事に出てきた「アピールプレイ」「タイムプレイ」についての解説は以下の記事を参考にしてください。

ルール
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