野球の投手(ピッチャー)のルールを現役審判員が詳しく解説

ルール

野球では投手のレベルにより試合の勝敗に左右されるほど投手は大切なポジションとなります。

投手は投球するだけでは無く、他の野手と違い様々な細かいルールが規定されているので投手のルールを良く理解しておく必要があります。

 

この記事では投手(ピッチャー)のルールを現役審判員が詳しく解説していきます。

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投手(ピッチャー)の役割

まずは、基本から説明していきます。

投手はグラウンドに小高く盛られたマウンドから投球をしなければなりません。

投球の際にはマウンド上に埋めてあるピッチャープレート(投手板)に足を置いた状態で打者に向かい投球をします。

そして、ストライクを投球したり、打者を打ち取る事によりアウトカウントを増やし得点を阻止します。

 

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ストライクとは

ストライクとは、どのような投球がストライクになるのでしょうか。

野球規則では以下のように定められています。

2・73『ストライクゾーン』
 バッターの肩の上部とユニフォームのズボンの上部との中間点に引いた水平のラインを上限とし、膝頭の下部のラインを下限とする本塁上の空間をいう。このストライクゾーンはバッターが打つための姿勢で決定されるべきである。
「注」投球を待つバッターが、いつもと異なった打撃姿勢をとってストライクゾーンを小さく見せるためにかがんだりしても、球審は、これを無視してそのバッターが投球を打つための姿勢に従って、ストライクゾーンを決定する。

引用:公認野球規則

つまり、この立体的な空間をボールが少しでも通過すればストライクとなります。

詳しくは以下の記事を参考にしてストライクの理解を深めてください。

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投球に関する投手(ピッチャー)のルール

投手は投球をするにあたって以下のルールを守らなければいけません。

投手と野手の違い

投手は投手のルールが適応されるケースと野手として扱われる場合があります。

これは投手がプレート(投手板)を踏んでいれば投手と見なされ、それ以外は野手として扱われます。

投球練習

投手は先発したり、試合途中の交代、イニングが始まる前に投球練習をすることが許可されています。

連盟や、リーグにより規定は違いますが野球規則では「1分以内もしくは8球以内」とされています。

軟式野球の場合、最初のイニングは7球とし次のイニングからは3球と規定されている地域が多いと思われます。

また、試合開始前にはオーダー交換後に先発投手に限り球場内のブルペンで投球練習をすることも許可されています。

投球に要する時間制限

投手は、投球する際に以下の時間内に投球を開始しなければいけません。

走者がいないとき

打者が打撃できる姿勢を開始した時から12秒以内に投球を開始しなければいけません。

12秒以内に投球を開始しない場合にはペナルティとして「ボール」が宣告されボールカウントがひとつ付与されます。

走者がいるとき

打者が打撃できる姿勢を開始した時から20秒以内に投球を開始しなければいけません。

20秒以内に投球を開始しない場合には2回までは審判員による注意。3回目以降はペナルティとして「ボール」が宣告されボールカウントがひとつ付与されます。(これは軟式野球連盟の規則でありリーグにより適応方法は違います)

それでは牽制した場合はどうなるのでしょうか。この場合、塁へボールを投げ実際に牽制をした場合は時間をリセット。偽投した場合は時間を継続してカウントします。

 

アメリカのマイナーリーグでは野球場に時間をカウントするタイマーが全員にわかるように2021年に設置されましたが、日本のアマチュア野球では2塁塁審がストップウォッチを携行し計測している場合が多いです。

野球というスポーツは試合時間の短縮が問題となっており、試合をスムーズに進めるために2021年より軟式野球でも本格的に規則を適応する動きになっています。

投球の時間制限については以下の記事を参考にしてください。

サイン交換

投手は捕手とサインを交換して投球を開始します。
サインを交換する際には必ず投手板に触れた状態でサインを交換しなければいけません。

また、投手板を触れた状態で投手が自分の体を触りサインを捕手に出したり、野手へ指をさしながら指示するとボークとなるので注意が必要です。

投球義務と球数制限

投手は、いつでも投手交代ができるわけではありません。

メジャーリーグではワンポイントリリーフの禁止など2021年より新たなルールが適応されましたが、プロ野球を含め日本野球界では見送りとなり話題をあつめました。

現在の日本野球界では、最低でも打者1人の打撃が完了するまでは投手交代ができません。(突然の怪我のアクシデントなどを除く)

また、学童野球では1日に70球以内の投球。少年(中学)では1日に100球以内の投球制限も2020年より本格的に適応されました。

投球をするときのルール

投手は投球を開始する際にも様々な規則があります。

投球を開始しても良い条件

投手は自分のリズムで投球を開始して構いません。

しかし、打者が打つ姿勢を開始していない時に投球を開始すると規則違反になってしまいます。

これをクイックピッチと言い、クイックピッチを行うとランナーの有無でボークまたはボールが宣告されてしまいます。

クイックピッチは非常に危険な投球であり必ず、打者が打撃をする構えを確認した後に投球を開始しなければいけません。

投球をしても良い場所

投手はマウンド上に埋め込んである投手板(プレート)を踏んだ状態で投球をしなければなりません。

これは、投球を開始してボールが手から離れるまで常に投手板を踏んだ状態で投げることを意味します。

例えば、右投手が投手板ギリギリの所にかかとを置き投球を開始したとします。

この場合ボールが離れる瞬間は、かかとが宙に浮き、つま先も投手板から離れる状態になります。

これでは常に投手板を踏んだ状態では無いためボークとなります。

投球動作

投手は投球を開始したら途中で中断することなく投球を完了させなければなりません。

投球中にバランスが崩れ投球を中止したり捕手からのサインを見た後、投球の構えを行う際に途中で動作を中止したら状況によりボークとなってしまいます。

ここ最近では、二段モーションや一旦足を止め再び投球を開始する仕草がボークの対象となるのか騒がれていますが、2021年より二段モーションはボークの対象外となりました。

一旦足を止める動作は、ランナーがいない場合に限りボークの対象とならないと規定されました。

 

ワインドアップポジションとセットポジション

投手が投球をする姿勢には、ワインドアップとセットポジションがあります。

投手はこの2つの姿勢からどちらか好きな姿勢で投球をすることができます。

ワインドアップポジション

ワインドアップポジションとは軸足を投手板(プレート)に置き、自由な足を好きな場所へ置き投球を開始します。しかし、アマチュア野球界ではセットポジションとの区別がつかないため自由な足は投手板(プレート)上または後方と定められています。

つまり、投手の好みにより両腕を振りかぶったり、ベルト付近に置くのは自由ですが自由な足が投手板上または後方にあればワインドアップポジションを取ったものとみなされます。

ワインドアップポジションからの牽制

誤解をしている人も多いですが、ワインドアップポジションからの牽制はボークではありません。

制限はあるものの、正しい手順を踏めば正規の牽制として成立します。

正しい手順とは・・・

右投手の場合、1塁または2塁への牽制は可能。

ただし、3塁への牽制は投球動作と酷似しているためボークとなります。

一方左投手の場合は、3塁または2塁への牽制が可能となり1塁への牽制はボークとなります。

ワインドアップポジションのメリット

ワインドアップポジションのメリットとしては、投球時に腕を大きく振りかぶるなどの動作ができるため投球の際に力が加わりやすく球威のある球が投球できるメリットがあります。

ワインドアップポジションのデメリット

一方で、投球動作が大きくなるため塁上にランナーがいるときにはランナーがスタートを切りやすく盗塁をさせやすい。

また、身体を大きく使いうため体感バランスが崩れ球をコントロールしにくいといったデメリットもあります。

セットポジション

セットポジションとは軸足を投手板(プレート)に置き、自由な足を投手板前方におき投球を開始します。

その時に両手を身体の前方で保持した状態で塁上にランナーがいる時は完全に静止をした後に投球を開始しなければなりません。

セットポジションでの牽制

セットポジションから塁上に走者がいる塁へ向け牽制をすることが可能です。

ワインドアップポジションとは違い、どの塁へも牽制は可能ですがプレートを踏んだ状態で1塁または3塁への偽投はボークとなります。

セットポジションのメリット

セットポジションのメリットとしては、投球動作が短く塁上に走者がいる場合に盗塁を阻止しやすく牽制も簡単に行うことができます。

また、身体のブレが少ない事からコントロールを付けやすくなるため投手を始めたばかりの選手でも簡単にコントロールを付けることができます。

セットポジションのでメリット

一方で、身体を大きく使う動作ができないため球威が落ちてしまったり、変化球が曲がりにくいなどのデメリットがあります。

ルール違反を犯したら

投手がルール違反を犯してしまった場合、反則投球またはボークを宣告されペナルティが与えられます。

一番多いパターンとしては、ボークが宣告され塁上にランナーがいる場合は1つの安全進塁権が与えられ、塁上にランナーがいない場合にはボールが打者に付与されます。

これはボークになるの?

よく勘違いしてルールを覚えている方がいます。

それは、塁上にランナーがいない場合で投手が投球を中断した場合です。

これをボークとみなし打者にボールカウントが与えられると誤解をしている人が多いです。

結論から言うとボークにはなりません。ノーカウントです。

ただし、投手の手から離れたボールがファウルラインを通過してしまえばボールとなってしまいます。

ボークの種類

ボークには様々な種類があり現在野球規則で定められている項目は13項目あります。

ボークとなる13項目
  • 投手板に触れた状態で投球動作を中止した。
  • 投球板に触れた状態で1塁または3塁へ偽投をした。
  • 投手板に触れている投手が塁へ送球する際に足を塁の方向へ直接踏み出さない。
  • 投手板に触れている投手が走者のいない塁へ送球したり、送球する真似をした。
  • 投手が反則投球をした。
  • 投手が打者に正対しないうちに投球した。
  • 投手板に触れない状態で投球に関連する動作をした。
  • 投手が不用意に試合を遅延させた。
  • 投手がボールを保持しないまま投球に関する動作をした。
  • 投手が正規の投球姿勢から投球以外の行為でボールから一方の手を離した。
  • 投手板に触れている投手が故意に関係なくボールを落とした。
  • 故意四球が企てられたときに投手がキャッチャーボックスの外にいる捕手に投球した。
  • 投手がセットポジションから完全に静止することなく投球した。

この違反を犯してしまうとボークとなってしまうので注意が必要です。

ボークについては以下の記事に詳しく書いてありますので参考にしてください。

投手の禁止行為

投手は仕草や身だしなみについても細かな規則があります。

普段野手として何気なく行っている行為でも投手としては違反になる場合もあるので注意が必要です。

ボールに対しての禁止事項

  • ボールや投球する手に唾液を付ける行為
  • ボールを自分のズボンなどで擦りつける行為(汚れを落とすためでも不可)
  • ボールに異物を付ける行為
  • ボールに傷を付ける行為

ボールに傷を付けたり異物を付けるのは当然禁止ですが、ボールが汚れていて自分のズボンでふき取る行為も禁止行為となります。

ただし、自分の手で汚れをふき取ったり、投手以外の野手が自分のズボンで汚れをふき取り投手へ返球する行為は許可されています。

また、ロジンバックを直接ボールへ付ける行為も禁止されています。

その他の禁止事項

その他にも投手のみに適応されるルールが存在します。

サングラスの装着

最近では目を保護する観点からサングラスの着用が許可されていますが投手に限ってはサングラスの着用が禁止されています。

リストバンド、包帯等の装着

野手では当たり前のようにリストバンドを装着してプレイしますが、投手は装着が禁止されています。

また、手などに傷がある場合で包帯やカットバンを装着する場合は本部または審判員への事前の許可を得なければなりません。

グローブの制限

現在野手についてはグローブの色に対する制限はありませんが、投手が使用するグローブには色の制限が存在します。

これは、リーグや連盟によって制限が違うため、あまりにも派手なグローブを使用したい場合は確認をした方が良いです。

身につけるもの、所持するものの制限

投手は、いかなる異物でも、身体につけたり、所持することは禁止されています。

高校野球で注目となった「ハンカチ王子」のハンカチをポケットに入れている行為も異物と見なされれば反則となります。

悪送球でボールデッドゾーンに入ったら

投手の投げた球が悪送球となりボールデッドゾーンに入った場合、走者に安全進塁権が与えられます。

例えば、各塁に牽制をして悪送球になった。

投球が悪送球となりボールデッドゾーンに入ってしったなどが考えられるでしょう。

この場合は、投手としての役割であったのか、野手としての役割であったのかで安全進塁権として与えられる個数が変わります。

詳しくは以下の記事を参考にしてください。

まとめ

投手に関する様々な規則やルールを紹介してきました。

投手は野球の中でも一番目立つ存在でもあり、誰もが一度は憧れるポジションです。

しかし、投手には紹介したような特殊な規則があり、速い球とコントロール以外にもルールを十分に理解をしておく必要があるでしょう。

練習の合間にもう一度ルールを復習していくのも有効な練習ですよ!

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