野球の言葉でフレーミングという言葉をご存知ですか?
フレーミングとはキャッチャー(捕手)のキャッチング技術のことでありストライク・ボールの判定に大きく影響を及ぼします。
2021年はマー君こと田中将大投手が楽天に復帰後、キャンプで初めてブルペン投球をした際に「ミットの音よりフレーミング」と発言したことにより改めてフレーミングという言葉が話題になりました。
今回は、フレーミングの技術ではなく、審判員の目線で捕手のフレーミングを考えてみます。
フレーミングとは
フレーミングとはストライクゾーンに投球された球を確実にストライクとコールしてもらう技術です。
一見、当たり前のことだと思われるかもしれませんが、捕手の技術でストライクをボールと判定されてしまうことは多々あります。
また、ボール球をストライクに見せかける技術をフレーミングだと未だ勘違いしている人もいますが、これはフレーミング技術とは言いません。
審判員がストライクとコールしたくなるフレーミング
捕手のフレーミング技術やキャッチングの技術については最近、You Tubeで元ヤクルトスワローズの古田敦也氏や元中日ドラゴンズの谷繁元信氏が詳しく解説していますので一度視聴してみてください。
今回は審判(球審)目線から似たフレーミングについて説明します。
審判員が思わずコールしたくなるフレーミング技術とは以下の項目です。
- 捕球をしても投球の勢いにミットが負ける事無くピタリとミットを止める
- 捕球面とベース全体を審判(球審)が見えるように構えてくれる捕手
- 捕球後に審判(球審)がコールするまでミットを残しておいてくれる捕手
- 判定に対しブツブツと文句を言わない捕手
上記の4つが審判(球審)にストライクと言わせるフレーミングです。
審判(球審)はトラッキングという技術を用いてストライク・コールの判定を行います。
トラッキングとは投手から捕手までの投球の軌道を頭の中で再度思い浮かべ、捕手の捕球したミットの停止場所を見てストライク・コールの判定を行うことです。
つまり、捕球した部分がベースからズレていたり、ベース全体を審判(球審)が視界を確保できないとストライクとコールされる確率は低いと言えます。
審判員がボールとコールしてしまう捕球
逆にフレーミングが下手な捕手は投手が頑張ってストライクを投球しても「ボール」とコールされ投手のリズムを狂わせてしまいます。
フレーミングが下手な捕手は以下の特徴があります。
- 投球の勢いに負けミットが流れたり垂れてしまう
- 捕球面やベースを審判に見せる構えが出来ない捕手
- 自分のストライクゾーンを断固として崩さない捕手
- 審判の判定に文句を言ったり、明らかな態度で示す捕手
- 際どいコースを捕球後にミットをストライクゾーンへ動かす捕手
特にフレーミングが下手な捕手としては、投球の勢いでミットがビタドメできない捕手や、キャッチャーの構えが悪く審判に捕球面を見せれない捕手です。
また、「フレーミングとはボール球をストライクに見せる」という間違った指導方法を受け際どいコースは捕球後にグラブを動かしベース上にミットを持ってくる捕手です。
近年では「ミットを動かすな運動」などと、このような捕球をする捕手は審判員から注意・指導を受ける対象となり、いくらストライクゾーンで捕球していても「ボール」とコールされてしまいます。
また、このようなプレーは技術とは評価されず審判員を侮辱する行為とされます。
まとめ
過去の日本野球に於いては、ボール球をストライクに見せる技術が捕手の上級技術として定着していましたが、国際大会が多く開催されるようになり世界レベルでみれば騙す行為または審判員を侮辱する行為として見られるようになりました。
これにより、フレーミングという言葉の解釈が年々変化しています。
このような変化の移り変わりに柔軟に対応して選手を指導する。また、捕手は考えを変えてプレーをすることが大切となりますね。
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