野球の投手(ピッチャー)に関するルールをクイズでまとめてみました。
野球の中でもピッチャー独自のルールが細かく決められています。
今回は 投手(ピッチャー) のルールをクイズ形式で解くことにより理解していきましょう!
現役審判員である私が野球規則をもとに詳しく解説していますので、どこよりも詳しく野球のルールが理解できますよ!
問題1.デッドボール(難易度★★☆☆☆)
投手の投球した球が打者に接触した。
次のうちデッドボールとなるものはいくつあるか。
① 投手の投球した球がワンバウンドして投球を避けた打者に接触した。
② 投手の投球した球がベース上のストライクゾーンを通過したが打者に接触した。
③ 投手の投球した球が打者に接触したが、打者は避けられたにも関わらず避けずにボールが接触した。
④ 投手の投球した球を打者がスイングしたがバットに当たらず打者に直接接触した。
⑤ 投手の投球した球を打者が肘を出して自ら当たりにいった。
デッドボールの定義として「打者が打とうとしなかった投球に触れた場合」と野球規則には記載があります。(規則5.05b)
ただし、ストライクゾーンで打者に触れたとき。打者が投球を避けないで触れたとき。打者がこれを避けようとしなかった場合はデッドボールとして認められません。
よって正解は1つです。
問題2.アピールプレイ(難易度★★★☆☆)
走者1、3塁の場面で打者の放った打球を見て走者はタッチアップを行った。
その後、3塁走者が本塁へ生還した後に何らかの理由によりタイムが掛けられた。
プレイ再開後、投手はプレートを外し3塁へボールを送りタッチアップ時の走者の離塁が早いとアピールをした。
相手チームより走者がいない塁へ牽制したため「ボーク」ではないかとアピールがあったが、ボークとなるか。
〇か×で答えよ。
アピールプレイはインプレイ中でなければアピールは認められません。
投手の3塁への送球はアピールのために必要な送球でありボークにはなりません。(規則6.02a(4))
問題3.投球モーション(難易度★★☆☆☆)
投手は打者に向かって投球をする際に一度上げた足を上下に動かす二段モーションで投球した。
この場合、走者がいない時はボークとならないが、塁上に走者がいるときは「ボーク」が宣告される。
〇か×で答えよ。
二段モーションは2006年よりボークの対象となりましたが、2018年よりボークの対象から外れました。
よって現在のルールでは、二段モーションで投球しても何ら問題はありません。
ただし、二段モーションで塁上に牽制をする行為。
塁上に走者がいる場合に一度上げた足を途中で止めて投球した場合はボークとなります。
問題4.牽制(難易度★★★☆☆)
投手が牽制を行った際に悪送球となりベンチにボールが入ってしまった。
次のうち正しいものはどれか。
投手板上(プレート)から走者をアウトにしようと試みた送球が、スタンドまたはベンチに入った場合、1個の安全進塁権が与えられます。(規則5.06b4(H))
投手がピッチャープレートを外して牽制したボールがボールデッドゾーンに入った場合は野手としてのルールが適応され、2個の安全進塁権が与えられます。(規則5.06b4(G))
投手の悪送球にについての解説は以下の記事を参考にしてください。
問題5.ロジンバッグ(難易度★☆☆☆☆)
投手が使用するロジンバッグを手に付けることは可能だが、ボールに直接ロジンを振りかけることは禁止となっている。
〇か×で答えよ。
投手はこのロジンバッグを用いて、素手にロジンをつけることを許されるが、投手、野手を問わず、プレーヤーは、ロジンバッグで、ボールまたはグラブにロジンをふりかけたり、またはユニフォームのどの部分にも、これをふりかけることは許されません。(規則6.02d原注2)
問題6.投手の用具(難易度★☆☆☆☆)
投手は野手用の手袋を身に着け投球しても差し支えない。
〇か×で答えよ。
投手がいかなる異物でも、身体につけたり、所持することを禁止されています。
また、いずれの手、指または手首に何もつけてはならないと規定があります。(規則6.02c(7)
問題7.グローブの色(難易度★★★★☆)
投手が使用するグローブには色等の制限があります。
次のうち、投手が使用するグローブで違反となるものはいくつあるか。
① グローブの締め紐、縫い糸がグローブ本体の色と違うグローブを使用する。
② 白色のグローブを使用する。
③ 表と裏が違う色のグローブを使用する。
④ 外野手用のグローブを使う。
⑤ 指カバーが付いたグローブを使用する。
投手のグラブは、縁取りを除き白色、灰色以外のものでなければなりません。
また、アマチュア野球では、投手のグラブについては、縁取り、しめひも、縫い糸を除くグラブ本体(捕球面、背面、網)は1色でなければなりません。(規則3.07a)
以前のルールでは投手のグラブは締め紐等も全て同一の色でなければいけませんでしたが、近年では緩和されました。
投手はキャッチャーミット、ファーストミット以外であれば自由に使用できます。
指カバーが付いていても何ら問題はありません。
よって正解は2つです。
問題8.牽制球(難易度★☆☆☆☆)
投手は塁上に走者がいる場合に牽制球を投げても良いが、偽投する場合は全ての塁においてプレートを踏んだまま偽投すれば「ボーク」となる。
〇か×で答えよ。
投手板に触れている投手が、一塁または三塁に送球するまねだけして、実際に送球しなかった場合はボークとなります。
ただし、走者のいる二塁へは、その塁の方向に直接ステップすれば偽投しても構いません。(規則6.02a(2))
問題9.投手の遅延行為(難易度★★★★☆)
投手は塁上に走者がいないときは打者が打撃姿勢に入ってから( )秒以内に投球をしなければならない。
( )に入る時間は次のうちどれか。
一般的に野球規則で定められているルールでは、塁に走者がいないとき、投手はボールを受けた後12秒以内に打者に投球しなければならない。(規則5.07c)
と記載されています。
12秒以内に投球しない場合は「ボール」が宣告されます。
20秒とは、アマチュア野球界で一般的に採用されているルールで、塁上に走者がいる場合は20秒以内に投球しなければいけません。
15秒とは、プロ野球で採用されているルールで、塁上に走者がいない場合は15秒以内に投球しなければいけません。
投手の遅延行為については以下の記事を参考にしてください。
問題10.スクイズプレイ(難易度★★★★☆)
アマチュア野球の試合で走者三塁の場面。
バッテリーはスクイズを警戒して打者の背後に故意的にウエストボールを投げた。
打者のバットに触れなければストライクまたはボールとしてカウントされる。
〇か×で答えよ。
アマチュア野球界においては打者の背後へ故意的に投球したりするプレイを非スポーツマン行為として野球規則6.01(g)項を適応します。
したがって、投手に対して「ボーク」を宣告し、3塁走者の得点を認めます。
そして打者に対してはインターフェア(打撃妨害)を適応し。打者は1塁への安全進塁権が与えられます。
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