野球の監督に関するルールをクイズでまとめてみました。
試合の勝敗を左右するのが監督です。
しかし、監督でも意外と知らないルールがあります。
今回は野球の監督に関するルールをクイズ形式で解くことにより理解していきましょう!
現役審判員である私が野球規則をもとに詳しく解説していますので、どこよりも詳しく野球のルールが理解できますよ!
問題1.オーダー表交換後の選手交代(難易度★★☆☆☆)
試合前に本部立ち合いの中でオーダー交換をした。
しかし、オーダー表を記載する際に手違いによりポジションを間違えて記載していたことに気が付いた。
次のうち正しいものはどれか。
オーダー表を間違えたチームは後攻とする。
オーダー表交換後は選手の負傷など、やむを得ない場合を除き変更することは出来ません。
オーダー交換後、監督がプレーヤーを交代させるには規則に基づいて行わなければならなりません。(規則4.03d)
尚、投手以外の野手の交代・ポジション変更は打者の打撃完了義務はありません。
問題2.選手の交代(難易度★★☆☆☆)
自チームの攻撃中に代打を送ったが、審判員に代打を宣告することを忘れていた。
代打として打席に立った選手はヒットを放った。
その後、相手チームから代打の宣告をしていないとアピールがあった。
次のうち正しいものはどれか。
監督は、プレーヤーの交代があった場合には、直ちにその旨を球審に通告し、あわせて打撃順のどこに入れるかを明示しなければなりません。(規則5.10b)
ただし、代わって出場したプレーヤーは、たとえ発表がなくとも打者ならばバッタースボックスに位置したときに試合に出場したものとみなされます。(規則5.10j(2))
したがって、代打として打席に立った選手がヒットを放てば正規のプレイとして扱われます。
問題3.次のイニングの打者(難易度★★★★☆)
次のうち、打者にアウトが適応され次のイニングの打順が次打者となるものはいくつあるか。
①2アウト走者1塁の場面で、1塁走者が盗塁を企てたがアウトとなり3アウトチェンジとなった場合。
②2アウト走者3塁の場面で、3塁走者はホームスチールを企てたが打者の妨害(インターフェア)が適応され3アウトチェンジとなった場合。
③2アウト走者3塁の場面で、3塁側のファウル領域へフライが飛び捕球しようとした野手を3塁走者が妨害し、インターフェアが適応され3アウトチェンジとなった場合。
① 1塁走者に対してアウトが宣告されるため次のイニングは再び同じ打者からの打順となります。
② 0アウトまたは1アウトで守備側のプレイを妨げた場合は走者がアウトとなりますが、2アウトであればインターフェアで打者がアウトとなります。(規則6.01a(3))
③ 走者がファウルボールに対する守備を妨害したとしてアウトを宣告され、これが第3アウトにあたる場合、打者走者は打撃を完了したものとみなされます(規則6.01a(10))
よって正解は2つです。
問題4.守備側のタイム(難易度★★☆☆☆)
自チームが守備に付いている際に守備側のタイムを要求し、監督がマウンドに内野手を集めアドバイスを送った。
しかし、同一イニングで再びピンチとなり再度、2回目の守備側のタイムを要求して監督がマウンドへ向おうとファウルラインを跨(また)いだ。
次のうち、正しいものはどれか。
監督またはコーチが、1イニングに同一投手のもとへ2度目に行けば、その投手は自動的に試合から退かなければなりません。(規則5.10l(2))
問題5.指名打者(難易度★★★★☆)
指名打者制度(DH制度)が設けられている試合で投手交代の際に、投手を別のポジションへ移動させ既に別のポジションを守っている野手が代わりに投手となった。
次のうち、正しいものはどれか。
投手が一度他の守備位置についた場合、それ以後指名打者の役割は消滅します。(規則5.11a(8))
指名打者についての解説は以下の記事を参考にしてください。
問題6.投手の交代(難易度★★★☆☆)
先攻のチームで、打順1番・投手としてオーダー表に記載された選手がいた。
この選手が打席に入り、打撃を終え無得点でスリーアウトチェンジとなった。
この際、監督は投手として記載した選手が不調であると判断し、1球も投球をしないまま審判員に投手交代を告げた。
次のうち、正しいものはどれか。
投手は、第1打者またはその代打者がアウトになるかあるいは一塁に達するまで、投球する義務があります。(規則5.10(f))
つまり、打撃の否かは全く関係なく最低でも打者一人に対して投球を完了しなければ投手交代は認められません。
ただし、投手が負傷または病気のために、投球が不可能になったと球審が認めた場合は交代が認められます。
問題7.監督の選択権(難易度★★★☆☆)
走者が3塁にいる場面で、打者がボールを打つ際にキャッチャーのミットに当たりながらも外野フライを打ちフライアウトとなった。
それを見た3塁走者はタッチアップを行い本塁まで帰塁した。
監督はプレーを生かしてタッチアップによる得点を選択した。
しかし、守備側のチームが3塁走者の離塁が早いと判断してアピールアウトをした。
審判員は離塁が早い事を認めアピールによるアウトを宣告した。
次のうち、正しいものはどれか。
監督がプレイを生かす旨を球審に通告するにあたっては、プレイが終わったら、ただちに行なわなければなりません。
また、いったん通告したら、これを取り消すことはできません。(規則6.01c【注1】)
監督の選択権についての解説は以下の記事を参考にしてください。
問題8.選手交代(難易度★★★☆☆)
攻守交代の際に自チームが守備に付こうとしていた。
監督は投手の交代を考えて投手を試合から退かそうと考えていたが、選手の勘違いにより今まで投球していた投手が投球練習をしてしまった。
次のうち、正しいものはどれか。
すでに試合に出場している投手がイニングの初めにファウルラインを越えてしまえば、その投手は、第1打者がアウトになるかあるいは一塁に達するまで、投球する義務があります。(規則5.10(i))
問題9.投球練習(難易度★★☆☆☆)
ひとつの球場で一日に4試合の試合が組まれていた。
次の試合を待つチームのブルペンでの投球練習について、次のうち、正しいものはどれか。
全日本軟式野球連盟の取り決め事項ではオーダー表を交換した後に、オーダー表に記載された先発投手のみがブルペンで投球練習ができます。
また、ブルペンに入るのはバッテリーの2名のみで、監督・コーチ等はブルペンに入場することはできません。
問題10.臨時代走(難易度★★★☆☆)
選手が攻撃中にデッドボール等で負傷した場合、臨時代走が認められています。
打順表は以下の通りです。
打順 | 1 | 2 | 3 | 4 |
ポジション | セカンド | 捕手 | 投手 | ライト |
名前 | 菊池 | 甲斐 | 松坂 | 鈴木 |
4番打者である鈴木君が、頭部にデッドボールを受けたため安全を考え臨時代走を出しました。
この時に、臨時代走となる選手は誰か。
ただし、誰も塁上に出塁していないものとする。
全日本軟式野球連盟の取り決め事項では投手を除く前の打席である選手が臨時代走となります。
以前は、投手と捕手は臨時代走となることが出来ませんでしたが、2020年より投手のみ臨時代走から除外することに改正されました。
よって捕手である甲斐選手が臨時代走に出る事になります。
他にも様々なクイズがあるのでチャレンジしてください!
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